慰安婦問題
日本政府による輸出厳格化発表から5日。韓国では官民こぞって大混乱に陥っており、状況を正確に把握しないまま矛先を韓国政府に向けたり、日本全体に憎悪や罵倒を放ったり、デモをやってみたりという状況になっているようです。
そんな中、まさかの火に油を注ぐ行動。
2015年の日韓慰安婦合意に基づき元慰安婦や遺族への支援事業を行ってきた「和解・癒やし財団」が解散登記を終え、正式に解散したことが4日わかった。韓国政府は同日夕までに、財団解散の事実を日本政府に伝えていない。日本政府は解散に同意しておらず、反発を強めそうだ。
財団関係者によると、解散登記の申請は6月17日付で、3日に完了の通知が財団に届いた。文在寅(ムンジェイン)政権は、昨年11月に財団の解散方針を発表し、日本政府の同意のないままに解散手続きを進めていた。
解散が決定したもののまだ解散自体はしていなかった慰安婦財団が正式に解散。まさかまさかの7月3日の完了通知。まさかと思いますが、7月1日の日本政府の貿易管理厳格化発表の日に勢いで完了させて通知を送ったということなのでしょうか。
和解・癒やし財団流れ概略
2015年 12月28日 |
慰安婦問題日韓合意。 |
---|---|
2016年 7月28日 |
和解・癒やし財団設立 2015年末時点の生存者に約1億ウォン、死亡者の親族らに約2000万ウォンを支給する方針を立てる。 |
9月29日 | 韓国政府、慰安婦合意にない「安倍晋三総理大臣が謝罪の手紙を慰安婦に送る」という追加処置を求める。日本は9月30日の記者会見で拒否。 これ以後も再三合意にない追加処置を韓国政府が迫る合意違反を行う。 |
10月 | 現金の支給を開始。元慰安婦47人中、36人がひとりあたり1億ウォンの支給を受けたとされる。 |
12月30日 | 釜山日本総領事館前の路上に慰安婦像が釜山市東区の許可を得て設置される合意違反及びウィーン条約違反。 |
2017年 1月6日 |
日本政府、対抗処置を発表。駐韓国日本大使の一時帰国以外は継続中。 |
5月 | 文在寅政権の誕生。以下のような方針。 1.合意で慰安婦被害者問題の真の問題点を解決できていないが再交渉はしない 2.慰安婦像の撤去は約束ではない。本質的な合意が誠実に履行されようやく検討される『付随的な合意』にすぎない。 対する日本政府は「合意に至る過程に問題があったとは考えられない」「合意を変更しようとすれば日韓関係がマネージ不能となり断じて受け入れられない」とする外務相談話を発表。 |
12月27日 | 韓国外交部、日韓合意に否定的な報告書を公表。 和解・癒やし財団8人の理事のうち政府関係者3人を除く5人が辞任。 |
12月28日 | 日韓合意には内容及び手続き面で重大な欠陥があるとして、日韓合意では問題の解決がなされないとする文大統領の声明。 |
2018年 1月9日 |
カン・ギョンファ外交部長官、日本政府に合意の再交渉を求めないとししつつ、慰安婦の尊厳の回復や心の傷を癒す努力を続けることを日本政府に要求。 日本政府が支払った10億円の代わりに韓国政府の予算から充当するという新方針を発表。 日本が出資した10億円の扱いは不明。 |
3月1日 | 文在寅大統領、「三・一独立運動」の記念式典で「加害者である日本が『終わった』と言ってはいけない」と慰安婦合意を根本的に否定する発言。 |
11月21日 | 「和解・癒やし財団」の解散を発表 |
2019年 6月17日 |
「和解・癒やし財団」の解散登記の申請。 |
7月1日 | 日本政府、韓国政府が行ってきた様々な国際法違反に伴う信用低下を受け、貿易管理の厳格化を発表。 韓国は大反発。 |
7月3日 | 「和解・癒やし財団」の解散通知が財団に届く。日本が拠出した10億円のうち5億円余りが残余金として残る。 対象になった元慰安婦47人と遺族199人のうち、元慰安婦36人と遺族71人が受給を希望したが、受給希望者のうち、元慰安婦2人と遺族13人はまだ支給されていない。 |
こうしてみると日本政府は一貫して「合意を守れ」としか言っておらず、韓国側が官民挙げて日本を攻撃してきたのが分かります。攻撃の結果得たものはあったんでしょうか。
何気に慰安婦財団はもう解散したものと思っていたので今になってなぜなのかと不思議に思っていたのですが、6月18日といえば日韓請求権協定に基づく仲裁委員会の協定上の委員の任命期限。チョ・セヨン韓国外交部第1次官が日韓企業が資金拠出し、徴用工訴訟の「確定判決被害者」に慰謝料相当額を支給する案を提案しその場で拒絶された日ですね。まさかこれが日本に圧力をかけるカードのつもりだったとかでしょうか…。それとも韓国から日本のことを見限るつもりだったのが7月1日に先を越されてしまったのか。それにしては貿易管理厳格化に対し無策すぎるしどうも要領を得ません。
韓国は約束を守らないという貿易管理厳格化の理由を直近で証明してしまった形ですが、混乱が落ち着き始めた時にどういう対応を行うのか、しばらく様子見ですかね。
現在進行中の対韓国措置
- 日韓請求権協定に基づく第三国指定による仲裁委設立を要請(2019年7月18日期限)
- 日韓漁業協定 相互EEZ内入漁の停止(2016年6月~)
- 日韓通貨スワップ協定の取り決め協議停止(2017年1月~)
- 在釜山総領事館職員による釜山市関連行事への参加見合わせ(2017年1月~)
- 日韓ハイレベル経済協議の延期(2017年1月~)
- フッ化水素、フッ化ポリイミド、レジストの3材料の輸出管理の厳格化(2019年7月4日~)
- 安全保障貿易管理における補完的輸出規制(キャッチオール規制)のホワイト国指定から韓国を除外(2019年8月~)
日本独自の北朝鮮制裁内容
- 北朝鮮の貨客船、マンギョンボン号の入港禁止(2006年7月~)
- 原則、北朝鮮当局の職員の日本への入国を認めない措置(2006年7月~)
- すべての北朝鮮籍船の入港を禁止(2006年10月~)
- 北朝鮮からのすべての品目の輸入禁止(2006年10月~)
- 特別な事情がないかぎり、北朝鮮国籍の人の入国を認めない(2006年10月~)
- 北朝鮮向のすべての品目の輸出などを禁止(2009年6月~)
- 大量破壊兵器や弾道ミサイルの計画などに関わる団体や個人に対し資産凍結の措置(2009年6月~)
- 北朝鮮の港に寄港したすべての船舶の日本への入港禁止(2016年12月~)
- 北朝鮮に本社を持つ19団体が日本国内に保有する資産を凍結(2017年12月~)