韓国のGSOMIAの破棄と現在の状況
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韓国のGSOMIAの破棄

昨日22日、韓国により日韓秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)の破棄が決定されました。日韓請求権協定や日韓慰安婦合意のように「破棄はしないが履行はしない」という延長詐欺を行うと予想していただけにとても驚きました。

破棄の理由

GSOMIAは軍事機密情報の取り扱いルールに過ぎないものです。そもそもアメリカが日米間、米韓間で得た情報の取り扱いを容易にするために結ばせたもので日韓間の情報のやり取りを目的にしたものではありません。

よってこの協定を破棄するメリットは皆無であり、韓国がアメリカの意向を無視するほど日本を敵視していることを世界に宣言するという効果しかありません。ならばよっぽどの理由があるのかというと驚いたことに以下の理由しかありませんでした。

韓国がGSOMIAを破棄した理由

  • 日本が先に優遇対象国の除外という措置を取ったため
  • 韓国の外交努力に応じなかった

つまり貿易管理をグループAからグループBにしたこと。その撤回に応じなかったことが主原因だといいます。しかし、貿易管理を強化といってもちゃんと手続きを取った企業の輸出許可は行われており、物流は再開されているという報道がされています。日韓間の貿易縮小は昨年11月、例の徴用工裁判判決直後から発生しており7月からの待遇変更とは直接関係がありません。

となると別のところに主原因があると考えてよいかと思います。

報道されている中で言われているのは法務部長官候補のチョ・グク氏のスキャンダル。

ムンジェイン大統領の側近の財産隠しと子供の不正疑惑により支持率が低下したため、その矛先をそらすため今回のGSOMIAの破棄を行ったとされてます。

気になるのは、韓国政府がどうしてここまで貿易管理優遇の除外にこだわるのだろうかという点です。日韓間の貿易はもともと縮小傾向でした。その中で韓国企業による日本商材の不正輸出増加が顕著だったため日本が厳格化を行いました。特に問題がなければ普通に輸出できているのも報道通りでしょう。なのに処置撤回を必要以上に求めてきています。これに何の理由があるのでしょうか。ここまでする必要性は全く感じられないのです。

現在の在韓米軍の位置

すごいと思ったのは、本日のこの会見。

青瓦台の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長は、この日の会見で「米国がわれわれにGSOMIAの延長を希望してきたことは事実だ」としながら「米国が表明した失望感は米国の希望が実現しなかったことによるもので、失望するのは当然だ」と言及した。

(中略)

金次長は「われわれは米国と十分に意思疎通・協議し、米国はこれに対して希望通り延長されなかったことに失望したと考えている」としながら、「だが重要なのは、この機会が韓米同盟関係をさらに一段階アップグレードできるきっかけになることだ」と述べた。

この状況下で「重要なのは一段階アップグレードできるきっかけになることだ」といえるその自信。なんて怖いもの知らずなのでしょうか…。

米韓同盟は年々状況悪化が進んでいます。

上記記事は2018年の在韓アメリカ軍の動きですが、米韓の距離はどんどん遠ざかっているというのがわかる動きになっています。

  • 2018年、在韓米軍駐留費負担特別協定(SMA)年内決裂(2019年2月にやっと再合意)
  • 在韓米軍駐留費負担特別協定(SMA)5年契約から1年契約に変更
  • 2019年、在韓米軍駐留費負担特別協定(SMA)大幅増額示唆される(9月から交渉)
  • 合同軍事演習の延期や中止、縮小
  • 在韓米軍のソウルから移転
  • ソウルのアメリカンスクールの閉鎖
  • 日本との仲介を断られる
  • GSOMIA延長を促される

なぜこの状況で危機感を持てないのかが分かりません。キム・ヒョンジョン氏があの会見をできる心境がわからず困惑しています。

このままいくとアメリカの動向次第で米韓同盟が危機になるわけですが、ただの無能なのか、狙ってやっているのか。「他力本願米韓同盟破棄説」が現実味を帯び始めていて日本への余波が気になって仕方ありません。

ここ最近の流れ

随時追加しています。

日時 事柄
8月15日 日本、終戦の日
韓国、光復節
ムンジェイン大統領、これまでの対決姿勢と異なり日本と対話するという演説を行う。ただし、具体的な内容はなし。
8月16日 北朝鮮、短距離ミサイル発射。
韓国政府、日本とロシアから輸入する廃プラスチックや廃タイヤ、そして廃バッテリーの3品目について放射性物質の検査を強化すると発表。3ヶ月に1回から1か月に1回に調整する予定。
8月19日 韓国外交部、在韓公使に福島原発事故汚染水処理めぐり説明を要求。この問題に日韓両国で取り組むことを提案。
韓国ムン・ヒサン国会議長の特使として来日したパク・チウォン無所属議員が自民党二階幹事長らと非公開会合。
金杉アジア大洋州局長、ビーガン米国北朝鮮担当特別代表と意見交換。
デビッド・バーガー米海兵隊総司令官、河野太郎外務大臣を表敬訪問。
8月20日 韓米合同軍事演習終了
2020年東京五輪の準備状況を各国・地域の国内オリンピック委員会(NOC)の代表に説明する選手団長セミナーにて、韓国代表団が福島食材に関して誹謗中傷。他国代表にも賛同を求め扇動したが効果はなかった模様。
8月21日 日中韓外相会談
日韓外相会談
韓国食品医薬品安全庁、8月23日から日本産の一部食品に対する放射性物質検査の回数を2倍にすると発表。
8月22日 韓国政府、日韓秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)破棄を発表。
韓国政府の外交努力に日本が答えなかったことが主原因であると表明
日本政府、ナム・グァンピョ駐日韓国大使を呼び出し抗議
アメリカポンペオ国務長官、カナダでの記者会見で失望したと述べる
アメリカ国防総省イーストバーン報道官、「強い懸念と失望」の声明
米国務省、「ムン・ジェイン政権に対し、GSOMIAの破棄を決めれば、同盟国の安全保障上の利益に悪影響を及ぼし、北東アジアの安全保障問題で文政権の大いなる思い違いを知らしめることになると繰り返し伝えてきた」と強く非難
8月23日 韓国キム・ヒョンジョン国家安保室第2次長、「アメリカが失望するのは当然だ」「この機会が韓米同盟関係をさらに一段階アップグレードできるきっかけになることが重要」と記者会見で述べる。
8月28日 日本政府、韓国のキャッチオール規制ホワイト国からの除外施行予定日。
8月 徴用工裁判の原告が差し押さえ中の日本企業の資産を現金化するとされている期日。
9月17日 国連総会
10月22日 天皇陛下即位礼正殿の儀
10月末 東南アジア諸国連合(ASEAN))+日中韓首脳会議
11月 アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議
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