迷走のムンジェイン大統領
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韓国政府迷走

日本政府が行った輸出貿易管理令別表第3の国から大韓民国を削除するための政令改正施行から1日が経ちました。日本政府が度重なる韓国政府の違反行為に初めて実務レベルの対応を行った今回のケースですが、予想通り韓国政府は大反発。しかし、反射的に行った韓国政府の報復行為で大義名分を失っている状況下で何を言っても響きません。

7月1日以降に韓国政府が行った、または発表した報復行為
  • 日本をホワイト国待遇から除外(8月12日決定 9月施行)
  • 日韓包括軍事情報保護協定GSOMIA破棄(8月22日)
  • 竹島での軍事訓練(8月26日)
  • 日本産の石炭灰の放射能・重金属成分を直接全数調査(8月8日)
  • 廃プラスチック、廃タイヤ、廃バッテリーの3品目について放射性物質の検査を強化(8月16日)
  • 東京オリンピックネガティブキャンペーン開始(8月20日)

韓国が日本に対し報復を理由で上記のことをしていなければ韓国の主張にも一貫性があったのですが、日本のWTOのルールに則った安全保障を理由とした貿易ルール変更をを不当経済制裁と言っておきながら自分たちは大義名分をなさない「報復」を理由とした貿易ルール変更を行ってしまっているのですから目も当てられません。せめて隠してほしい。なぜ報復ということをばらしてしまうのか。

昨日の一日の表です。結局日米韓とも1mmも事態は動いていません。

午前 チョ・セヨン外交部第1次官 長嶺安政駐韓日本大使を呼んで厳重に抗議、不当な措置の即時撤回を再度促して両国間の対話に真摯な姿勢で臨むよう要求
午後記者会見 キム・ヒョンジョン国家安保室第2次長 強い遺憾の意
韓国が輸出規制措置を安保問題であるGSOMIAと関連付けたと主張しているが、そもそも2つの問題をつなげた張本人は日本
歴史を書き換えているのは日本のほう

午後 チョ・セヨン外交部第1次官 ハリス駐韓米大使を呼んで、「韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)破棄や独島訓練を批判するな」と警告
ハリス駐韓米大使は直後に29日に予定されていた在郷軍人会主催の講演をキャンセル
午後 日本経済産業省 輸出貿易管理令の一部改正に関連する韓国側の発表等について、事実関係及び経済産業省の見解を発表
韓国政府の発表をすべて否定する。
アメリカ現地午前 エスパー米国防長官
シュライバー米国防次官補
日韓双方に失望という記者会見。
韓国から事前の通告はなかったと確認。破棄決定を取り消するよう促す。

韓国政府が「日本のせいである」と主張し終わった後にバッサリと日米が否定するという流れ。

驚いたのは、韓国外交部がハリス駐韓米大使にGSOMIAの件や竹島周辺の軍事訓練について「黙ってろ」というメッセージを出し、それをマスコミに隠そうとも否定してもいないことです。

他力本願米韓同盟破棄説

他力本願米韓同盟破棄説とは、デイリー新潮で論説している韓国観察者の鈴置高史氏が提唱している「ムンジェイン大統領は計画的に米韓同盟破棄を狙っているが、自分たちから破棄をいうのは国内の反発が抑えきれないのでアメリカから破棄してもらおうとしている」という説です。その鈴置さんの記事が27日に更新されました。

これによると今回の一連の流れはムンジェイン大統領にとって予定通りであり、日本の貿易管理強化は渡りに船であったようです。

米国との同盟を打ち切るつもりの文在寅政権が、GSOMIAを一方的に破棄したのは「予定のコース」です。米韓同盟だってやめるつもりですから、同盟国でもない日本との軍事協定を続けるのはおかしいのです。

 2017年の大統領選挙でも、文在寅候補はGSOMIAの再検討を公約していた。ただ、米国との関係悪化を恐れ、直ちには動けなかった。それが今回、「信用できない日本」を口実に破棄できるようになったので実行した、ということに過ぎません。

韓国が異例の抗議をアメリカに行ったのは、この流れを加速したかったからということでしょうか。確かに2018年の在韓米軍の動きを見ていると、撤退を視野にしているのではないかと思えます。

つまり、昨日の韓国政府の発表は日米の反発を受けることは織り込み済みで、計算通り。ムンジェイン大統領にとって誤算なのはムンジェイン大統領の側近であるチョグク氏のスキャンダルで支持率が低下していることでしょうか。

ただ、そもそも日韓関係を悪化させるのが目的でしたが、日本に反撃されるとは露にも思ってなかったのかもしれません。8月の初めに株価が2000を切り、ドルウォン相場も1200を維持できないほどのマイナス傾向、もともと経済音痴でしたが恐らくここまで経済がダメージを受けるとは思ってなかった。一方、日米は韓国を捨てるならば、戦略物資である半導体生産能力をそのままにしておくはずがないので虎視眈々とタイミングを見計らっているというところでしょうか。

個人的にはムンジェイン大統領の目的は確かに従北反米ですが、アメリカから離反して北朝鮮と合流するレールに関しては行き当たりばったりでふわっとしたことしか決められておらず、場当たり的対応しかできてないように見えるんですが…。本当に高度な考えのもと目的に向かって動いているんでしょうか…。

この感じだと、日米韓とも目論見が外れて来年早々韓国の経済崩壊によるムンジェイン政権の崩壊だけで終わりそうに見えます。問題はその先ですかね…。ムンジェイン大統領の流れを継承できないならば極左政権は崩壊すると思いますが、次の大統領の成り手が見当たりません。これから旗手が出てくるんでしょうか…。

さらに反日を畳みかけるムンジェイン大統領

今日の臨時閣議でムンジェイン大統領はこんなことを言ったそうです。

  • 日本は経済報復の理由すら正直に明かしておらず、根拠なくその場その場で言葉を変えながら経済報復を合理化しようとしている
  • 日本がどんな理由で弁明しようと過去の歴史問題を経済問題に絡めたことは間違いなく、どうにも率直でない態度と言わざるを得ない
  • 一度反省を口にしたから終わったとか、一度合意したから全て過ぎ去ったと終わらせることができる問題ではない
  • 過去の過ちを認めも謝りもせず、歴史を歪曲(わいきょく)する日本政府の態度が被害者の傷と痛みを深くしている
  • ドイツが隣国の欧州国家と和解し、国際社会で信頼を受ける国になったということを日本は深く銘記する必要がある

おそらく国内向けでしょう。内容も使い古された反日運動でよく見る事実誤認を含んだものです。しかし、一国の長が「合意否定」を公言してしまった。日本政府の指摘する「韓国政府は合意を守らない」という主張を認めてしまったのは大きな失点でしょう。

パククネ大統領の千年恨(せんねんはん)に並ぶ、日本が韓国を忌避する理由の言葉になるかもしれませんね。

こういうことを迂闊にも言うのでムンジェイン大統領が計画的に「他力本願米韓同盟破棄」を狙っているのではなく、彼が願望のまま動いていたら「他力本願米韓同盟破棄」を狙っているようにも見えるようになってしまったというだけに思えるんですよね。政治家としても人間としても三流すぎて話になりません。そんな三流大統領が東アジアの平和のカギを握っているとか悪夢です。

ここ最近の流れ

随時追加しています。

日時 事柄
8月24日 北朝鮮、短距離ミサイル発射。
東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉会合内で、日韓2国間会議。
8月25日 韓国軍、島根県の竹島で軍事訓練開始(~26日)
アメリカ国務省のオータガス報道官、「我々は深い失望と懸念を抱いている。この判断によって韓国の防衛はより複雑になり、米軍へのリスクも高まる」とツイッターで批判。
トランプ大統領、G7にて韓国に不満を示したという報道あり。
8月26日 韓国イ・ナクヨン首相、国会予算決算特別委員会にて「日本の不当な措置が元に戻れば、わが政府もGSOMIAを再検討する方式が望ましい」と発言。
安倍首相、G7中のインタビューで「国と国の間の信頼関係を傷つける(韓国側の)対応が続いている」と韓国側に強い不満を示す。
アメリカ国務省、初めて韓国軍の竹島周辺での軍事訓練を批判。
8月27日 韓国イ・ナクヨン首相、与党「共に民主党」幹部との会合で日本側に措置を撤回するよう改めて求める。
河野外相、1965年の日韓請求権協定に関し、「韓国が歴史を書き換えたいと考えているならば、そんなことはできないと知る必要がある」と韓国を批判。
8月28日 日本政府、韓国をキャッチオール規制グループAからグループBへ移行させる法令を施行
韓国イ・ナクヨン首相、「日本が事態をこれ以上悪化させず、韓日関係の修復に向けた対話に誠意をもって臨むことを重ねて求める」と述べる。ここまで韓国政府による貿易管理体制是正に向けた動きの情報はない。
韓国外交部チョ・セヨン第1次官、長嶺安政駐韓日本大使を呼んで厳重に抗議、不当な措置の即時撤回を再度促して両国間の対話に真摯な姿勢で臨むよう要求
韓国外交部チョ・セヨン第1次官、ハリス駐韓米大使を呼び協議。その中でGSOMIA破棄は日韓関係上のものであって、米韓同盟には関係ないと主張。また、韓国政府の今回の決定について米政府が失望と懸念を繰り返し表明したことについて、米韓関係を強化する上で役立たないと指摘し、自制するよう要請。
韓国政府、アメリカが韓国軍の竹島周辺訓練を批判したことに対し反論し批判。
エスパー米国防長官、日韓双方に失望という記者会見。
シュライバー米国防次官補、韓国から事前の通告はなかったと確認。破棄決定を取り消するよう促す。
日本経済産業省、韓国政府発表について反論、事実関係及び経済産業省の見解を発表。
9月17日 国連総会
10月22日 天皇陛下即位礼正殿の儀
10月末 東南アジア諸国連合(ASEAN))+日中韓首脳会議
11月 アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議
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