日韓秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)破棄
韓国政府は日韓秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)の破棄を決定しました。決定を目にしてついつい「バカな」と驚いてしまいました。やるかもしれないけれどまさかそこまで状況を理解していないわけはないだろうと思っていたのですが、専門家がいなくなったといわれるムンジェイン政権はそこまで反米で恐れ知らずだったとは思いませんでした。
【ソウル聯合ニュース】韓国青瓦台(大統領府)は22日、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を更新しないことを決めたと発表した。協定の更新期限は今月24日で、どちらかが破棄を通告しない限り1年間自動延長されることになっていた。
同協定を巡っては安全保障問題などを理由に日本政府が対韓輸出規制の強化に踏み切ったことから、韓国与党の一部などから破棄すべきとの声が上がっていた。
この決定がアメリカに喧嘩を売り、米韓軍事同盟にひびが入ることを理解しての決定だったのか疑問ですが、これがムンジェイン大統領の思惑通りでアメリカに対する「他力本願米韓同盟破棄」の一環であるというなら大したものです。
新宿会計士の政治経済評論さんがこの件について速報し、どういう状況なのかまとめていらっしゃいます。引用転載OKということですので、ありがたく表を使わせてもらうとこういうことだそうです。
- 受領国は提供国の承認なしに、提供される秘密軍事情報を第三国に提供しない。
- 受領国は提供された情報に対して、提供国と同等の保護措置をとる。
- 受領国は提供国の承認なしに、提供された情報を本来の目的以外に使用しない。
- 受領国は提供された情報に含まれる特許権、著作権、企業秘密等の私権を尊重する。
- 提供される情報には、文書、口頭で伝達される情報、映像等あらゆるものが含まれる。
- 秘密情報の伝達は政府間のチャンネルで行う。
- 契約企業とその施設も、秘密軍事情報取扱資格(セキュリティクリアランス)を取得しなければならない。
- 提供国は受領国の秘密保護措置を査察するため、受領国の施設を定期的に訪問できる
つまり、相手に提供された情報については自分の国の軍事機密と同じように扱いますよ、とする協定であり、この協定が破棄されたからといって、日韓間ですべての軍事情報のやりとりが止まるわけではありませんし、逆に、この協定があれば自動的にすべての軍事情報が共有される、という代物でもありません。
ただし、日韓GSOMIAが存在しない国と軍事情報をやり取りするとなれば、当然、授受される情報の質は低下するでしょう。
さらに大きな問題点は、米国のオペレーションに支障をきたす可能性がある、という点です。
協定を破棄するメリットはひとつもなく、アメリカの意向を無視することで生じる対応に苦難するデメリットばかりがあるという分析が日米のみならず韓国のマスコミからも出ており、「延長されるが形骸化させる」という報道もあったほどだというのにこの結果。ついに日本との関係改善を諦め安全保障面でも日本と敵対関係になることを決断するとは思いもよりませんでした。
おそらく多くの人が予想外であり、韓国が西側諸国から離脱し、防衛ラインが対馬海峡まで後退するということが現実味を増してきた歴史的瞬間だったのかもしれません。それともことの重要性を理解してないだけでここまでやっても日本だから問題ないと考えていて、米中間の蝙蝠外交を継続する無能なのか。何よりこれを受けて日米政府がどんな対応をするのか。ここにきて激しく東アジアが動くことになりそうです。
世界がどう見たか、とりあえず明日のマーケットがどうなるでしょうか。
ここ最近の流れ
随時追加しています。
日時 | 事柄 |
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8月15日 | 日本、終戦の日 韓国、光復節 ムンジェイン大統領、これまでの対決姿勢と異なり日本と対話するという演説を行う。ただし、具体的な内容はなし。 |
8月16日 | 北朝鮮、短距離ミサイル発射。 韓国政府、日本とロシアから輸入する廃プラスチックや廃タイヤ、そして廃バッテリーの3品目について放射性物質の検査を強化すると発表。3ヶ月に1回から1か月に1回に調整する予定。 |
8月19日 | 韓国外交部、在韓公使に福島原発事故汚染水処理めぐり説明を要求。この問題に日韓両国で取り組むことを提案。 韓国ムン・ヒサン国会議長の特使として来日したパク・チウォン無所属議員が自民党二階幹事長らと非公開会合。 金杉アジア大洋州局長、ビーガン米国北朝鮮担当特別代表と意見交換。 デビッド・バーガー米海兵隊総司令官、河野太郎外務大臣を表敬訪問。 |
8月20日 | 韓米合同軍事演習終了 2020年東京五輪の準備状況を各国・地域の国内オリンピック委員会(NOC)の代表に説明する選手団長セミナーにて、韓国代表団が福島食材に関して誹謗中傷。他国代表にも賛同を求め扇動したが効果はなかった模様。 |
8月21日 | 日中韓外相会談 日韓外相会談 韓国食品医薬品安全庁、8月23日から日本産の一部食品に対する放射性物質検査の回数を2倍にすると発表。 |
8月22日 | 韓国政府、日韓秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)破棄を発表。 |
8月28日 | 日本政府、韓国のキャッチオール規制ホワイト国からの除外施行予定日。 |
8月 | 徴用工裁判の原告が差し押さえ中の日本企業の資産を現金化するとされている期日。 |
9月17日 | 国連総会 |
10月22日 | 天皇陛下即位礼正殿の儀 |
10月末 | 東南アジア諸国連合(ASEAN))+日中韓首脳会議 |
11月 | アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議 |