12月25日:日本海火器管制レーダー照射問題の流れ
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日本海火器管制レーダー照射問題

先週の日本海での火器管制レーダー照射問題が、韓国の初動の甘さにより大炎上となりました。

説明もこの休みの間に変遷して印象が悪くなっています。

日時 事柄
12月20日
午後3時ころ
能登沖を哨戒活動中の海上自衛隊所属のP-1哨戒機が韓国海軍所属の広開土大王級駆逐艦から火器管制レーダーの照射を受ける。
12月21日
午後19時ころ
岩屋毅防衛相が記者会見。外務省など複数のルートで強く抗議したことを公表。
午後21時ころ 韓国国防省報道官室、通常の作戦活動中だった。哨戒機を追跡する目的で運用した事実はない。誤解が生じないよう、日本側に十分に説明する。と説明。
韓国海軍関係者、遭難した船舶にレーダーを照射したのを日本側が誤解したと取材に答える。
12月22日 防衛省、Webページにて事態の説明を公表。

  • 収集したデータの結果、火器管制レーダーの照射を受けたと結論されたものである。
  • 火器管制レーダーは広範囲の捜索に適するものではなく、遭難船舶を捜索するためのものではない。
  • 韓国も採択しているCUES(洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準)でも控えるべき動作として挙げられている。

韓国メディアなどの報道に疑問を呈し、改めて「極めて遺憾であり、韓国側に再発防止を強く求める」との声明を発表。

韓国軍の消息筋、出動した駆逐艦は遭難した北朝鮮の漁船を迅速に見つけるため火器管制レーダーを含むすべてのレーダーを稼働し、この際、近くの上空を飛行していた日本の海上哨戒機に照射されたと説明。
韓国統一省、20日に公海上で北朝鮮の船を発見し、船員3人を救助したと発表。1トン未満の木造船で数週間漂流していたとも。船員3人と1人の遺体をこの日北朝鮮に引き渡したことも発表。
日本の報道の解説、「火器管制レーダー」は、対空索敵用レーダーによって探知した「目標」に対してアンテナを向け続け、リアルタイムで相手の情報を取得する目的に使われるもの。ミサイル誘導のため、極めて細いビームとして発信されるため偶然当たるようなものではないと解説。(乗り物ニュース)
政府関係者、P-1哨戒機が収集したデータを分析した結果、哨戒機は、韓国軍の駆逐艦からミサイルなどの発射に向けた射撃管制用レーダーの照射を、数分間、複数回にわたり受けていたことがわかった。と報道に答える(FNN PRIMEなど)
12月23日 韓国軍関係者、日本海で遭難した北朝鮮漁船を捜索した際、接近してきた哨戒機に向け、映像撮影用の光学カメラを使用した。光学カメラを使用すると、レーダーが一緒に稼働するが、哨戒機に向けてビームは放射しなかったと証言。火器管制レーダーは対空用ではなく、対艦用モードで運用したとも主張。日本の哨戒機が韓国艦艇の上空を飛行するなど「威嚇飛行をした」とも。
12月24日 韓国国防部、哨戒機に対して射撃管制用レーダーは照射していない。哨戒機が駆逐艦上空に異常接近したので、カメラで撮影しただけだと記者会見で述べる。22日の説明と矛盾。

  • 真上を低空飛行してきた哨戒機に対しカメラで撮影しただけ。
  • 火器管制レーダーは使っていない。
  • 無線は感度が悪く、海洋警察庁への呼びかけだと思った。

金杉憲治アジア大洋州局長とキムヨンギル東北アジア局長が局長級会談。
金杉憲治氏、韓国に改めて強い遺憾を表明し、再発防止を要求。
キムヨンギル氏、日本側が事実関係を明確に確認せず、メディアに公開したことについて遺憾を表明。

12月25日 日本防衛省、24日の韓国国防部の言い分に対し反論。

  • 収集したデータの結果、火器管制レーダーの照射を受けたと結論されたものである。
  • 国際法や国内関連法令を遵守し、当該駆逐艦から一定の高度と距離をとって飛行していて低空飛行をした事実はない。
  • 3つの周波数を用いて英語で「韓国海軍艦艇、艦番号971」と計3回レーダー照射の意図の確認を試みている。

韓国国防部報道官室、日本と協議すると発表。日時などは未定。

日本側では、管官房長官、河野外務大臣からのコメントがあるのですが、韓国側は具体的な名前があるのはキムヨンギル東北アジア局長のみという。公式の発表も国防部だけで韓国政府は国防部と外交部に丸投げで関与しないということでしょうかね。

そして、今日になって韓国国防部報道官室が日本と協議することを発表したわけですが、日本政府への根回しが済んでないのか日時など未定。いや、協議なら昨日しましたが、そんなに今日の防衛省の発表がまずかったのでしょうか。

事象 日本の主張 韓国の主張
現場 日本のEEZ内 日韓EEZ中間水域内
当時の活動 通常の警戒監視活動 遭難した北朝鮮船籍の捜索活動中
哨戒機の高度 国際法通りの高度位置取り 駆逐艦の真上を低空飛行(23日に主張出現)
レーダーの使用 1度目回避行動を行った後、2回目の照射も受け、約5分照射を受けた。 全レーダーを使用していたが、偶然哨戒機が範囲に入った(23日に変遷) 哨戒機が低空飛行してきたので監視のためにレーダー横のカメラで撮影していた。火器管制レーダーは使用していない。
無線 国際VHF(156.8MHz)と緊急周波数(121.5MHz及び243MHz)の計3つの周波数を用いて、「韓国海軍艦艇、艦番号971(KOREA SOUTH NAVAL SHIP, HULL NUMBER 971)」と英語で計3回呼びかけ、レーダー照射の意図の確認を試みたが、返答はなかった。 Korea Coastとだけ聞こえて海洋警察庁への呼びかけだと思った。(哨戒機への警告や連絡を行ったという報道はない)
北朝鮮船舶 言及なし 1トン未満の木造船
数週間漂流していた
北朝鮮に引渡し済み
詳細公表なし

変遷したうえで対立しているのがよくわかります。当たり前ですが、確実にどちらかが事実でどちらかが事実ではないのがはっきりしている事案ですね。法的拘束力はないとはいえCUES(洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準)という国際的な取り決めから逸脱している分韓国のほうが不利なのは否めませんが、ここからどうやって巻き返すつもりなのか注目しています。

旧朝鮮半島出身労働者問題

日本海火器管制レーダー照射問題ですっかり影が薄くなってしまいましたが、新日鉄住金訴訟の弁護団が韓国内資産差し押さえの手続きに入ると発表。執行日は「外交的な交渉状況も考慮し、執行日時を決める」とのこと。

ここ最近の流れ

日時 事柄
11月24日(土) 韓国大統領府、南北鉄道調査が制裁の例外となったと発表。
11月26日(月) 韓国与野党議員が竹島上陸。
11月29日(木) 韓国、徴用工遺族らが起こした三菱重工業への訴訟2件判決。三菱重工業が双方とも敗訴。
日韓請求権協定違反。
11月30日(金) 日本政府、韓国政府が差し押さえを行った場合、在日韓国資産差し押さえを検討。
アルゼンチンにてG20開催。(~12/1)
12月3日(月) ムンジェイン大統領、ニュージーランドに向かう飛行機内で旧朝鮮半島出身労働者に関する判決から始まる一連の日韓問題に対して初のコメント。具体的な内容はなし。
日本政府、一連の韓国の対応を待つ期限が年内であるという一部報道。
12月4日(火) 韓国、弁護士らが新日鉄住金アポなし再訪問。24日期限の要望書を渡す。
韓国外交部、「法より情」会見。事実上の「対応しない」宣言。
12月6日(木) 中国北京にて第14回日中韓自由貿易協定交渉会合。
アメリカにて米韓外相会談。
12月10日(月) チョン・ヘソン統一部次官が来日。対北朝鮮に関する意見交換が目的。(~12日)
12月11日(火) 在韓米軍駐留経費負担に関する特別協定協議(~13日)
12月11日(水) 日韓外相電話会談。特に新しい内容なし。
12月13日(木) 韓国海軍、竹島周辺で単独軍事訓練。
日韓議員連盟総会直前。
12月14日(金) 日韓議員連盟総会。
日本政府、総会初の安倍総理祝辞なし。
お互いの主張を言い合うだけで終わる。
12月19日(水) 旧朝鮮半島出身労働者約1,100人 日本企業ではなく韓国政府を100億円求め提訴する動きがあると報道。
12月20日(木) 韓国駆逐艦、能登半島沖で日本自衛隊哨戒機に対し火器管制レーダー照射される。
翌日防衛相が記者会見。韓国国防部は事実を認めるが故意であることを否定。
12月23日(日) 金杉憲治アジア大洋州局長が在韓公館長会議に出席目的でソウルへ。
12月24日(月) 日韓局長級会議。レーダー照射事件及び旧朝鮮半島出身労働者問題についてお互い非難しあって終わる。
新日鉄住金訴訟の弁護団が韓国内資産差し押さえの手続きに入ると発表。執行日は「外交的な交渉状況も考慮し、執行日時を決める」とのこと。
12月31日(水) 在韓米軍駐留経費負担に関する特別協定更新期限
2019年
1月23日(水)
韓国、元勤労挺身隊らが起こした不二越に対する損害賠償請求訴訟の判決予定日。

現在進行中の対韓国措置

  • 韓国による日本産水産物等の輸入規制に関するWTO協定に基づく協議の要請(2015年5月~)
    2018年2月日本の主張を認めるパネル報告書の公表。韓国政府は上訴。
  • 韓国による日本製空気圧伝送用バルブに対するアンチ・ダンピング措置に関するWTO協定に基づく協議の要請(2016年3月~)
    2018年4月に日本の主張を認めるパネル報告書の公表。一部認められなかった部分について日本が上訴。
  • 日韓漁業協定 相互EEZ内入漁の停止(2016年6月~)
  • 日韓通貨スワップ協定の取り決め協議(2017年1月~)
  • 在釜山総領事館職員による釜山市関連行事への参加見合わせ(2017年1月~)
  • 日韓ハイレベル経済協議の延期(2017年1月~)
  • 日本製ステンレス棒鋼に対するアンチ・ダンピング(AD)措置に関し,世界貿易機関(WTO)協定に基づく協議要請(2018年6月~)
  • 韓国による自国造船業に対する支援措置に関するWTO協定に基づく協議の要請(2018年11月~)

日本独自の北朝鮮制裁内容

  • 北朝鮮の貨客船、マンギョンボン号の入港禁止(2006年7月~)
  • 原則、北朝鮮当局の職員の日本への入国を認めない措置(2006年7月~)
  • すべての北朝鮮籍船の入港を禁止(2006年10月~)
  • 北朝鮮からのすべての品目の輸入禁止(2006年10月~)
  • 特別な事情がないかぎり、北朝鮮国籍の人の入国を認めない(2006年10月~)
  • 北朝鮮向のすべての品目の輸出などを禁止(2009年6月~)
  • 大量破壊兵器や弾道ミサイルの計画などに関わる団体や個人に対し資産凍結の措置(2009年6月~)
  • 北朝鮮の港に寄港したすべての船舶の日本への入港禁止(2016年12月~)
  • 北朝鮮に本社を持つ19団体が日本国内に保有する資産を凍結(2017年12月~)

メモ

ネタのメモ
 

  • 2018年まとめ
  • 日韓基本条約の経緯
  • 韓国の条約違反、国際法違反まとめ
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