韓国の国際秩序への挑戦は続く
スポンサーリンク

日韓請求権並びに経済協力協定

昨日、日韓請求権協定に基づく第三国指定による仲裁委決定の期限が過ぎました。昨年10月から続く韓国の戦後秩序への挑戦は実を結び、日韓関係の破綻へと確実に進んできています。

2018年
10月11日
韓国海軍、観艦式で旭日旗問題を仕掛けた上に自らは「抗日英雄の旗」を象徴した旗を揚げる行為。
10月30日 新日鉄住金大法院判決。
韓国政府、日韓請求権協定2条違反状態へ。
11月20日 韓国海洋警察庁警備艦、日本海日本側EEZ内で操業していた日本漁船の排除行動。海上保安庁巡視船と対峙。日韓漁業協定違反
11月21日 韓国、慰安婦財団の解散を発表。慰安婦問題日韓合意違反
11月26日 韓国与野党議員の竹島上陸。竹島問題
11月29日 三菱重工業大法院判決。日韓請求権協定2条違反
12月13日 韓国海軍、竹島周辺で単独軍事訓練。竹島問題
12月20日 日本海火器管制レーダー照射問題発生。CUES違反
2019年
1月9日
日本政府、日韓請求権協定に基づく協議を開くよう要請。韓国政府は無回答。日韓請求権協定3条違反
5月20日 日韓請求権協定に基づく仲裁委員会の協定上の委員の任命要請。条約に30日の期限あり。韓国政府はこれも無回答。日韓請求権協定3条違反
6月19日 日韓請求権協定に基づく第三国指定による仲裁委決定要請。条約に30日の期限あり。韓国政府は期限日の7月18日に正式拒否。日韓請求権協定3条違反

これ以外にも架空の少女像のことなどウィーン条約に抵触している内容などあります。現在の韓国政府がいったいいくつ国際秩序に挑戦しているのか正直わかりません。

昨年10月から今年2月にかけて元気に暴れまわった韓国ですが、2月末に米朝首脳会談が決裂すると尻すぼみになっていきました。経済指数がいよいよ大変なことになってそれどころではなくなった感もあります。

戦後秩序への挑戦といっても、韓国政府からすればただ単に「日本を狙い撃っている
」だけなのでそんなつもりはないのかもしれません。ですが、過去の2国間条約や合意、国際規範を守らない行為が世界にどう映り、どんな口実を与えるのかわかったものではありません。

どう考えても国益に沿わない行動で不可解です。

他力本願同盟破棄願望説

日経ビジネスオンラインで昨年掲載された鈴置高史さんのコラムでこのようなことが書いてありました。

文在寅政権は米国から「縁切り」を言わせたい。そこで米国が怒るよう仕向けている。「そんな卑怯なやり方をすれば、米国は本当に怒って出て行くぞ」と、柳根一氏は「左派が演出した危い状況」に警鐘を鳴らしたのです。

その見方は正しいのですか?

鈴置:私もそう見ます。文在寅大統領はじめ、政権中枢の運動圏出身者は、米韓同盟こそが民族を分断する諸悪の根源と考えているからです(「『米韓同盟消滅』第1章「離婚する米韓」参照)。

ただ、文在寅政権が同盟破棄を言い出せば、韓国の保守や普通の人、あるいは左派の一部も反対するでしょう。米国を分断の元凶となじる韓国人にも、米国に守ってもらいたい人が多い。

だから文在寅政権は米国から同盟破棄を言わせるよう仕向けているのです。

現在の韓国政府の目的は「韓米同盟破棄をアメリカから言ってもらうこと」、アメリカから破棄を言ってもらうために「日韓関係も破棄しようとしている」のであるとしています。事実、アメリカ政府は先日7月15日にアメリカを訪問した韓国代表団に「日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を揺さぶるな」と警告したのですが、早速昨日18日にGSOMIAを再検討することを示唆しました。日本による貿易優遇処置の除外の交渉にアメリカを巻き込むためのカードとしたという分析もありますが、あまりにも短絡的で信頼関係を損なう行為です。

国際的感覚に無知な現政権だからなのか、それとも計画通りに信頼関係を損ねているのか。計画通りであるならばたいしたもので、思惑通り日米とも韓国とは距離を取り始めています。

陰謀論としては面白いのですが、無策ぶりを見せて右往左往するように見える現在の韓国政府の姿は計画通りというより自分の正義を執行しているのになぜ抵抗するのか理解できず動揺する三流悪役にしか見えません。しかし、これが計画的であるとしてもアメリカに見捨てられたときに中国、北朝鮮が手を差し伸べてくれるだけの価値が残っていると思っているところがムンジェイン大統領の考えの足りないところかと…。アメリカが韓国に見捨てられるときは韓国にその価値がないよう軍事的にも経済的にも潰された後でしょう。日本の今回の行動はその一環にも思えます。

ここ最近の流れ

日時 事柄
6月21日 日本政府、差し押さえられた日本企業の資産が売却された場合、対抗措置とは別に韓国政府に賠償を求める方針を固める。
6月25日 カン・ギョンファ外交部長官、「日本の報復性措置が出てくれば(わが政府も)それに黙っていることはできない。状況の悪化が予想されるが、そのような状況が発生しないよう綿密に準備し、協議している」と国会で答弁。
6月28日~29日 大阪にてG20開催。
アメリカ、ドイツ・英国・フランスとともに4カ国の国連駐在大使共同名義で「12月22日までに北朝鮮人海外勤労者全員の本国送還」を促す書簡を国連加盟国全体に送付。
6月30日 米韓首脳会談、強固な米韓同盟がインド太平洋の平和と安全のリンチ・ピン(核心軸)であることを確認。ただし、韓国政府は発表から除外。
韓国来訪中のトランプ大統領が板門店にて米韓首脳会談。史上初めて北朝鮮の地をアメリカ大統領が踏む。
7月1日 日本政府、韓国のキャッチオール規制ホワイト国からの除外の方針。フッ化水素、フッ化ポリイミド、レジストの3材料の輸出管理の厳格化を4日から施行すると発表。
7月3日 「和解・癒やし財団」の解散通知が財団に届く。
日本が拠出した10億円のうち5億円余りが残余金として残る。
対象になった元慰安婦47人と遺族199人のうち、元慰安婦36人と遺族71人が受給を希望したが、受給希望者のうち、元慰安婦2人と遺族13人はまだ支給されていない。
韓国政府、世界貿易機関(WTO)紛争解決手続きである二国間協議を日本政府に要請。
7月4日 日本政府、韓国へのフッ化水素、フッ化ポリイミド、レジストの3材料の輸出管理の厳格化を施行
7月8日 ムンジェイン大統領、日本に対し「日本の貿易制限措置により、韓国企業の生産に支障が出ることが憂慮され、世界の供給網が脅かされる状況に直面した」として、「日本側の措置の撤回や両国間の誠意ある協議を促す」と表明。
7月3日に韓国政府が要請した二国間協議は「今は応じることはできない」という日本の返答があったという報道。
西村康稔官房副長官、記者会見で少なくとも3年以上ホワイト国としての義務である意思疎通、意見交換が行われていないことを公表。
7月9日 韓国政府、世界貿易機関(WTO)の物品貿易理事会理事会で日本政府の貿易管理強化は国際法違反だと上程。
韓国産業通商資源部ソン・ユンモ長官、日本から輸入したフッ化水素が北朝鮮に流出したという証拠が見つからなかったとし、日本は根拠のない主張を直ちに中断するよう望むと記者会見。
7月10日 FNN、韓国政府資料で韓国から兵器に転用できる戦略物資が密輸出された案件が4年間で156件にのぼることが分かったと報道。朝鮮日報5月17日の報道と一致。
韓国政府、FNNの報道後、大量破壊兵器に転用可能な戦略物資の不正輸出について2015年~今年3月に156件が摘発された発表。輸出管理が適切に行われていることを強調。こうした不正輸出に「日本産フッ化水素はなかった」と日本政府の主張を否定。
カン・ギョンファ外相、ポンペオ米国務長官と電話会談。北朝鮮のFFVD、米日韓の三角協力の重要性、インド・太平洋における密接な協力の維持を確認したが、韓国政府は発表からこれを除く。アメリカ政府の発表からズレ。
7月12日 東京で貿易関連課長級会合。日本は三日前から説明の場と公表していたが、韓国側が2日前に実務レベル協議と公表したりと協議の場にしようとしたが日本は説明会としての開催で通しきる。
7月13日 韓国政府、前日の説明会の内容について「立場と主張を伝えた」「協議と呼ぶのがふさわしい」「措置に遺憾を表明。原状回復と撤回も要請」と公表。
世耕経産相、具体的内容の事務的説明を韓国要請に基づいて行ったもので、協議ではないことを事前合意の上で開催。韓国側からは「遺憾の表明、原状の回復と撤回の要請」ではなく、「問題解決」の要請だった。本件は協議するような「問題」ではないため事実関係の説明のみ行ったものである。とTwitterにてコメント。
7月14日 世耕経産相、昨日の韓国の発表について「韓国側から合意したブリーフラインを逸脱し事実に反する発表を行ったため、信頼関係を前提とした面会も行えなくなる」とTwitterにてコメント。
7月15日 ムンジェイン大統領、自国の対策のことは何も言及せず日本に警告と外交対話を要求。
アメリカ政府、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を揺さぶるなと訪米韓国外交部代表団に警告。
7月16日 三菱重工業の韓国内資産を裁判所に売却申請する手続きを近く着手すると報道。
河野外相「万が一、日本企業に実害が及べば、必要な措置を講じざるを得ない」とコメント。
韓国政府、日韓請求権協定に基づく第三国指定による仲裁委決定を拒否する意向を表明。
7月18日 日韓請求権協定に基づく第三国指定による仲裁委決定の期限
韓国政府、正式に仲裁委決定の拒否を通達。
韓国政府、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)再検討を示唆。アメリカの警告を無視する。
ムンジェイン大統領、与野党5党共同で日本政府による輸出管理強化措置の即時撤回を求める共同声明。
7月19日 河野太郎外相、ナム・グァンピョ駐日大使を外務省に呼び韓国政府の国際法違反状態放置を抗議。
午後に大韓民国による日韓請求権協定に基づく仲裁に応じる義務の不履行について外相談話発表。
8月22日付近 日本政府、韓国のキャッチオール規制ホワイト国からの除外施行
8月 徴用工裁判の原告が差し押さえ中の日本企業の資産を現金化するとされている期日。

現在進行中の対韓国措置

  • 安全保障貿易管理における補完的輸出規制(キャッチオール規制)のホワイト国指定から韓国を除外(2019年8月予定)
  • 日韓漁業協定 相互EEZ内入漁の停止(2016年6月~)
  • 日韓通貨スワップ協定の取り決め協議停止(2017年1月~)
  • 在釜山総領事館職員による釜山市関連行事への参加見合わせ(2017年1月~)
  • 日韓ハイレベル経済協議の延期(2017年1月~)
  • 韓国産ヒラメや貝類などの輸入検査を強化(2019年5月~)
  • フッ化水素、フッ化ポリイミド、レジストの3材料の輸出管理の厳格化(2019年7月4日~)

日本独自の北朝鮮制裁内容

  • 北朝鮮の貨客船、マンギョンボン号の入港禁止(2006年7月~)
  • 原則、北朝鮮当局の職員の日本への入国を認めない措置(2006年7月~)
  • すべての北朝鮮籍船の入港を禁止(2006年10月~)
  • 北朝鮮からのすべての品目の輸入禁止(2006年10月~)
  • 特別な事情がないかぎり、北朝鮮国籍の人の入国を認めない(2006年10月~)
  • 北朝鮮向のすべての品目の輸出などを禁止(2009年6月~)
  • 大量破壊兵器や弾道ミサイルの計画などに関わる団体や個人に対し資産凍結の措置(2009年6月~)
  • 北朝鮮の港に寄港したすべての船舶の日本への入港禁止(2016年12月~)
  • 北朝鮮に本社を持つ19団体が日本国内に保有する資産を凍結(2017年12月~)
スポンサーリンク
おすすめの記事